厚手スラブ〜高級感あふれるのれんを作るなら〜
2023年06月16日
オーダーのれんドットコムの店長、福本です。
本日は在庫切れを起こすほど人気の生地『厚手スラブ』をご紹介します。
厚手スラブの特徴
「ぼってりとした布感」という風に紹介している通り、実際手に取ると他の生地よりも重みと厚みがあるのが分かります。
ただ、この生地の特徴はなんと言っても、ランダムに走る紡ぎ(つむぎ)!
『スラブ』とはこの、わざと糸の撚りを強くしたり弱くしたりして糸の太さに違いを出した、ランダムなデコボコの紡ぎのことを指します。
だから厚手スラブ。
紡ぎに規則性はないので(どこに紡ぎが来るか分からないので)、仮に全く同じデザインで作っても見た目が違って見えるのが面白いところです。
他にはない重厚感と高級感
厚手スラブの特徴をより理解いただくために、当店のもう1つの人気生地『バンテン』と並べてみました。
バンテンもなかなか厚みがある生地なのですが、厚手スラブの前ではスッキリとした質感に見えてしまいます(写真ではなかなか分からないのが残念ですが)。
紡ぎがある分、厚手スラブの方がより密度と圧を感じます。温かみと高級感のある質感なので、夏場はちょっと暑苦しいくらいかもしれません。
そんなときは、夏場は麻風スラブ、それ以外の時期は厚手スラブという風に季節に合わせてのれんを変える『二毛作』をご検討されてみてはいかがでしょうか。
厚手スラブの注意点
高級感があり、魅力的な厚手スラブですが、少しだけ注意点があります。
生地はこのような反物の状態で入荷します(これを染めていきます)。
生地幅は約1,400o、長手方向は30mで、紡ぎは横向きに走っています。
当店では、紡ぎが横向きになるように仕上げるのが基本ですが、縦の長さが1,300oまでなら、紡ぎが縦方向でも可能な、以下の2パターンが考えられます。
※縦が1,300oを超えてしまうと、必要な生地が生地幅を超えますので、必ず@の縫って継ぎ足すパターンになります。
@縫って継ぎ足すパターン(その場合、紡ぎの向きは横になる)
A紡ぎの向きは縦になるけれど1枚もので出来るパターン
A紡ぎの向きは縦になるけれど1枚もので出来るパターン
縦向きでも別段おかしい感じはしません。上述した通り、紡ぎは横向きになるのがほとんどなのですが、サイズによっては縦の選択もあるということを念のためお伝えさせていただいた次第です。
まとめ:高級感あふれるのれんを作るなら
厚手スラブは、個人的に非常に思い出深いものがあります。
と言うのも、この生地はそれまでの生地より圧倒的に厚みがあるので、当初はインクが生地の中までしっかり浸透せず、なかなか上手くいかなかったのです。
設定を何度も何度も見直したり、転写の時間を長くするなど、試行錯誤を繰り返す日々で、とにかく手が掛かりました。
それだけではありません。生地がぶ厚いせいで、縫製する際も針がバキバキと折れました。
なにやら苦労したエピソードばかりですが、それだけに上手くいくようになった時は喜びも一入でした。他の生地とは一線を画す存在感があるせいか、今やのれんの生地ラインナップの中では一二を争う売れ筋商品に成長。
苦労した甲斐があったというものです。なので、ぜひお試しいただきたいです!
と言っても、まずは実際の生地を見たいですよね?
当店では、厚手スラブを含むのれんの生地全8種類を1冊に綴じた、無料の生地見本帳をご用意しています。
実際に手にとって、その生地感と染まり具合をお確かめください。
以上、オーダーのれんドットコムの福本でした。
お客様の要望をベースに作り上げていく、オリジナルののぼりや旗、幕、のれん、看板を、6つのインターネットショップを通じて受注、全国に製造販売。
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