立涌の歴史とバリエーション|のれんに取り入れ運気アップ!?
2023年07月26日
オーダーのれんドットコムの嶋田です。
仕事柄、街中を歩いていると、ふとのれんが目に留まります。よく見る和柄だけど『名前を知らない柄』があれば、すぐに調査。せっかく調べるわけですから、誰かの役に立てればと思い、本記事を執筆しています。
今回は立涌(たてわく)をご紹介!
この後お話する内容は以下の通り。
・立涌はどのように生まれたのか?
・どのようなシーンで使うのがお勧めか
・立涌が持つ数々のバリエーション
・デザインに取り入れた実例
・どのようなシーンで使うのがお勧めか
・立涌が持つ数々のバリエーション
・デザインに取り入れた実例
伝統的な和柄を取り入れたのれんは高級感があって、本当に素敵です。お気に入りの1枚を作って、お店のファサードを彩りましょう。
立涌とは?その由来と歴史
立涌文様は上でご覧の通り、縦に湧き立つような二本の線が左右に膨らんだりくぼんだりしながら伸びた柄で、水蒸気が立ち上っていく様子を表現したものです。蒸気の立ち上がりだけでなく、陽炎が揺らめく様子や雲が膨らむように立ち上がる様子とも表現されます。一般的には「たてわく」 ですが「たちわき」「たちわく」とも呼ばれます。
上昇する様子から運気があがる文様と言われています。
奈良時代に中国から伝わり、平安時代には有職文様(※)として公家の装束や調度品などに使用されました。
※公家階級を中心とした世界で、用いられてきた伝統的な文様
単独の文様だけでなく、日本人ならではの美意識を融合させたアレンジも生まれました。
膨らんだ部分に様々な文様を配したものが考案され、竹・藤・麻・桐などを配した豊かなバリエーションがあります。(後で詳しく解説)。
浮世絵師歌川広重作『四季の花園朝顔』より、 赤い立涌文様に麻の葉が描かれた着物を纏った女性の描写。
(写真:古美術もりみや)
リズムのある曲線が立ち昇り、女性を美しく粋に見せています。 現在では着物だけでなく、帯、茶道具、磁器といった身近なところでも見かけるようになりました。
刺し子の柄としてもオススメ
刺し子とは、糸を使い2枚以上の布を縫い合わせることを言います(刺繍に近い)。
初めて家庭科でぞうきんを縫った時、色んなパターンで縫いましたよね?その時に、この立涌柄で縫った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
立涌は曲線の組み合わせなので、多少左右のずれがあっても気にならないのがこの柄の魅力です。
立涌は円を縫うよりも簡単なのに、おしゃれなデザインに見えるので、初心者の方にお勧めの和柄。糸の色を変えると、さらに映えますよ。
立涌文様のバリエーション
立涌は数ある文様の中でも、公家の装束や調度品、建築に用いられてきた有職文様。優美で格式高いため、のれんの柄としてピッタリです。
ここからは、立涌のバリエーションをご紹介します。
破れ立涌
昔は、決められた形をわざと崩すのが粋とされていました。部分部分で切れているものを、文様では破れということから、破れ立涌と名付けられました。
菊立涌
立涌の柄の間に菊の図柄が入ります。均等に入れる場合もありますし、ランダムに散らしたり、複数の菊の花を入れることも。
藤立涌
藤の花で立涌を作っています。ご存知の通り、藤の花は垂れ下がる花。そこから、このような図案が生まれたと言われています。
桜立涌
着物には、桜立涌がよく使われます。菊立涌と同じように、均等に入れる場合、複数を入れる場合、ランダムに散らす場合があります。
雲立涌
蒸気が上がる様子から生まれた立涌柄は、ユラユラと流れる雲との相性が良く、雲立涌が生まれました。昔は、関白の袍(束帯の上着)や親王の袴に用いられ、現代でも男子皇族の指貫(衣冠に用いる太いズボン)に使われています。
その他の立涌柄いろいろ
由緒ある立涌柄ですが、色使いや曲線の組み合わせ方でポップな仕上がりにもできます。
ご覧の通り、一口に立涌と言っても、色々なバリエーションが出来ますね。線を一定にする必要もないので、ランダムに太さを変えたり間隔を変えても、味のあるデザインに仕上がります。
立涌柄を取り入れた暖簾のデザイン
実際、のれんに立涌柄を取り入れたデザインをご紹介します。
事例1.店内を立涌文様で統一
お手洗いが直接見えないような間仕切りののれんと、厨房に付ける水引のれんをご注文いただきました。サイズは違えど、両方に立涌柄を取り入れると、統一感が生まれます。
湯気から派生しているため、厨房の暖簾で使われることが多いですよ。
事例2.部分的に立涌を
立涌柄と無地を交互に配置し、暖簾をお作りしました。裏から見ても粋ですね。他にないデザインは、一際目を引きますから、部分的に取り入れたい場合は、ぜひ参考になさってください。
今回ご紹介した事例は、2件とも飲食店ののれんです。先に紹介した通り、湯気に起因する立涌は、飲食店にピッタリというわけですね。和食、居酒屋問わず使えますから、取り入れてはいかがでしょうか。
のれんに使える!立涌柄が入ったサンプル
運気があがる立涌文様は、お店の暖簾にぴったり。
立涌柄を取り入れるのにお勧めの場所や目的
・居酒屋/和食屋さんの入り口に
・温泉/銭湯の湯のれん
・楽屋のれんのプレゼントに
・結婚式のウェルカムのれん
湯気を表す立涌は、特に飲食店や温泉/お風呂に最適です。
オーダーのれんドットコムは1,000種類以上のデザインサンプルをご用意。原稿作成費は無料で、色や文字を自由に変えられるので、誰でも簡単にオリジナルののれんが作れますよ。
立涌を使ったデザインサンプルの一部をご紹介しますね。
他にも【立涌】を使ったデザインサンプルを用意しているので、ぜひご覧ください。
まとめ|のれんの和柄『立涌』編
本記事では、伝統的な和柄の一つである『立涌』について、由来やバリエーションを詳しく解説しました。
遊び心がある立涌柄は、オシャレなだけでなく、運気が上がる柄です。お店の商売繫盛、スタッフの無病息災、各自の思う意味を込めて、立涌柄を取り入れた暖簾を作ってはどうでしょうか。
あっ!もちろん、のれんを作る時はオーダーのれんドットコムにお声がけくださいね。
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お客様の要望をベースに作り上げていく、オリジナルののぼりや旗、幕、のれん、看板を、6つのインターネットショップを通じて受注、全国に製造販売。
SNSでは、お客様の事例や最新情報、知って得するお役立ち記事を配信しています。
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