矢絣(やがすり)|歴史からバリエーションまで詳しく解説
2024年02月07日
オーダーのれんドットコムの嶋田です。暖簾にお勧めの和柄をご紹介するシリーズ。
今回の和柄は『矢絣(やがすり)』です。
この記事を読めば、
・矢絣の成り立ち
・矢絣のバリエーション
・illustratorで矢絣を描く方法
が分かります。・矢絣のバリエーション
・illustratorで矢絣を描く方法
本シリーズを書くたびに、身近にある和柄でも、知らないことばかりだなと気づかされます。矢絣の歴史や込められた意味を理解して、身の回りに取り入れていきましょう。
矢絣の意味と歴史
この柄は矢絣(やがすり)として広く知られていますが、元々は矢羽・矢羽根(やばね)文様と呼ばれていました。弓矢についている羽を矢羽と言い、その形に似ていることから、名付けられたそう。
矢羽文様は絣(かすり)織りという技法で表現していたことから、いつしか矢絣と呼ばれるようになり定着しました。
矢は武士にとって戦場を生き抜く大切な武具であるため、矢絣(矢羽文様)は武士の衣装や家紋によく用いられました。
江戸時代に入ると『一度放った矢は戻らない』ことから派生して、婚姻時の縁起物として矢絣の着物を持たせる風習が生まれます。
明治時代、一部の女学校で袴が通学服に制定されたことで、袴スタイルが女性の間で大人気となりました。この袴に合わせる着物として、矢絣が好まれたと言われています。
大正時代が舞台の人気漫画『はいからさんが通る』でも、主人公が矢絣の着物と海老茶色の袴を着用しています。
現在でも、卒業式シーズンになると、矢絣の袴を身に纏った女子学生を数多く見かけます。ここには『卒業後、決して戻ってくることがないように』という願いが込められています。
元々は武士の文様として使われていた矢絣も、時代と共にその意味合いを徐々に変えてきたのですね。
矢絣のバリエーション
矢絣の基本は矢羽ですから、他の和柄ほど豊富なバリエーションはありません。しかしよくよく見ると、2種類の柄がありますので、先ずはそこからご紹介します。
@羽の方向が全て同じ
最もベーシックな矢絣です。紫や赤1色で表すことが一般的です。羽根の向きが一方向のみなので、整った感じがしますね。
A2行ずつ羽の向きが異なる
先ほどの矢絣と似ていますが、よ〜く見てみてください。先ほどは羽が一方向だったのに対し、こちらは逆方向の羽もあります。ちなみにハイカラさんの羽織袴は、このタイプの矢絣です。
基本はこの2つなのですが、羽の色や大きさ(長さ)を変えることで、いかようにもアレンジできます。
2色で構成された矢絣
オーソドックスな矢絣も、こうすると違った印象を持ちますね。色の組み合わせは無限大ですが、金色を入れると特に豪華な矢絣が作れます。
背景にグラデーションを付けた矢絣
羽は同じ形の連なりですから、単調になりがちです。背景の色にグラデーションを付ければ、動きのある矢絣になります。
ランダムに色を付けた矢絣
羽根の色にグラデーションや複数の色を付けました。色を変えることで1つ1つの矢羽根が目立ち、立体感が生まれます。
あまり種類はない、、、と言いながらも色や大きさを変えると無限に矢絣のバリエーションがありますね。お店の雰囲気や外観に合わせて、かっこよく矢絣を取り入れましょう!
矢絣をイラストレーターで描いてみよう!
私の敬愛するバカリズムさんの持つならこう!にちなんだ『illustratorで書くならこう!』のコーナーです。
矢絣は単純な図形の連なりですので、illustratorで書くのは簡単です。効果をかけたり、様々な色を使って、あなただけの矢絣を書いてみましょう!
1)「多角形ツール」で長方形を書きます
数値は任意ですが、ここでは幅=10mm、高さ=50mmと入力しました。
2)長方形が1つ書けました
3)その横に細長い長方形を1つ書きます
数値は任意ですが、ここでは幅=2mm、高さ=50mmと入力しました。
4)出来た2つの長方形をコピーして右にコピーして増やしていきます
5)下の写真でいうと青い四角の部分を選択し、ダイレクト選択ツールで下に引っ張ります
羽根のような形になりました。角度に決まりはありませんので、好みの形になるまで引っ張ってください。ここでは10o垂直に下げました。
6)出来た図形をグループ化して、下へコピー
7)整列で等間隔に並べましょう
8)好きな色を付けて完成!
羽根を連ねていくと簡単に出来上がりましたね。この方法でなくても、書けますので色々試してみてください。
矢絣をのれんに取り入れよう
先に、結婚する際の縁起物として、矢絣の着物を持たせる風習があったと書きましたが、出戻らないという意味以外にも、縁起の良い柄として数々のシーンで使われてきました。
例えば、矢には魔よけの意味もあるため、お店の入口にもピッタリです♪
矢絣はどんな場所やシーンで使ってもOKですが、特にお勧めしたい場所は以下の通り。
矢絣を取り入れるのにお勧めの場所
・結婚式のウェルカムのれん
・新築の友人に贈るお祝いのれん
・飲食店の入口に飾るのれん
・着物屋に設置するのれん
・結婚式のウェルカムのれん
・新築の友人に贈るお祝いのれん
・飲食店の入口に飾るのれん
・着物屋に設置するのれん
「矢絣をのれんに取り入れたいけれど、どのようなデザインにすれば良いか分からない」という方も、ご安心ください!
オーダーのれんドットコムでは1,000種類以上のデザインサンプル(※)をご用意しています!
※デザインサンプルとは
当サイトが用意しているデザインのひな型。お好みのデザインサンプルを基に、文字や書体、配色、レイアウトまで自由に変更できます。
矢絣を使ったデザインサンプルもありますので、その一部をご紹介します。
矢絣が入っていないサンプルに、足すこともできますのでご安心ください。
デザインサンプルはこちらから
https://www.order-noren.com/sample/
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まとめ|矢絣の意味や歴史
本記事では、伝統的な和柄の一つである『矢絣』について、歴史やバリエーションを解説しました。
・結婚する友人に縁起が良いのれんをプレゼントしたい
・親戚のお店が繁盛するようにのれんを贈りたい
・親戚のお店が繁盛するようにのれんを贈りたい
そんな願いと祈りを込めて、矢絣を取り入れたのれんを作りませんか?
オリジナルでのれんを作る時は、ぜひオーダーのれんドットコムにお任せくださいね。
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