流水柄|のれんに使われる和柄シリーズ
2024年06月12日
オーダーのれんドットコムの嶋田です。暖簾にお勧めの和柄をご紹介するシリーズ。
今回の和柄は『流水(りゅうすい)』です。
この記事を読めば、
・流水の成り立ち
・流水のバリエーション
・流水柄をのれんに入れたら…?!
が分かります。・流水のバリエーション
・流水柄をのれんに入れたら…?!
その名の通り、水の流れを現した図形から出来た和柄ですが、どのような意味があるのでしょうか?
成り立ちや意味を知れば、のれんのデザインに、より活かすことが出来そうですね。
流水柄の成り立ちと歴史
水の恵み豊かな日本で生まれた流水文(りゅうすいもん)。『方丈記』の冒頭に、「行く川のながれは絶えずして」とあるように、水の流れはとどまることがなく、一瞬のうちにさまざまに変化します。
このような水や波、渦などの形が図案化されました。
その歴史は古く、弥生時代の土器や銅鐸(釣鐘つりがね状の青銅器)に、数本の平行線と曲線で描かれた、規則的な美しさをもつ流水文が見られます。
平安時代後期の装飾写本『西本願寺三十六人(にしほんがんじさんじゅうろくにん)家集』の料紙には、雲母の粉をふりかけて輝かせた「雲母摺り」や、墨や顔料を水面に落とし てできる模様を写し取った「墨流し」の技法によ る、風情ある流水文の装飾が施されています。
安土桃山から江戸時代にかけては、花や器物と組み合わせた文様が多くなります。桜や菊などの枝を筏に乗せたものや、水面に散った花びらを筏に見立てた「流水に花筏」、桜が浮かぶ「流水に桜」、菊を描いた「菊水文」、扇が流れる様子を 表わす「扇流し」など。紅葉やカキツバタなどと合わせた優美なモチーフも誕生しました。
ほかにも、能楽の流派のひとつ、観世流の文様で、水を横長の渦巻きのように表わした「観世水」や、尾形光琳の『紅白梅図屏風(こうはくばいびょうぶ)」に見られる装飾的な流水の図柄「光琳水(こうりんみず)」が有名です。
現代でも着物や帯などの染織品や和雑貨、インテリアなどで広く目にする伝統的な流水文は、その優美さが色あせることはありません。
【参照】押田博子
IACC国際カラーコンサルタント。千葉県茂原市生まれ。『日本の生活に根付く色と文様』より
IACC国際カラーコンサルタント。千葉県茂原市生まれ。『日本の生活に根付く色と文様』より
流水の意味
水が流れる様子を線で描いた模様。流水文様には「厄を流す=魔除け」「流れる水は腐らない=清らかさ」「火難除け」などの意味があり、縁起の良いとされる吉祥文様でもあります。
吉祥文様一覧の一部
以前掲載した霞文様と似ていますが、霞文様は雲や霧のような空に浮かぶもの。流水は川や海など水の流れを表している図柄なので、成り立ちが似て非なるものですね。
縁起のよい吉祥文様ですから、お店の入り口やご家庭でもお使いになるのれんのデザインに適していますね。
流水文様のバリエーション
水流と渦をかたどった「観世水(かんぜすい)」が有名です。また、他の模様と組み合わせて使われることも多いです。ここでは流水文様のバリエーションをご紹介します。
観世水(かんぜすい)
能楽の流派である「観世流」の観世太夫の紋所が、渦巻模様であるところから観世水(かんぜみず)と呼ばれるようになりました。かんぜすいとも言います。流水文様の中でも特にエ霞文に似たこのタイプのものを指すことが多いです。
光琳水(こうりんみず)
尾形光琳独特の図案的な流水。水模様の代表的意匠として各種工芸に用いられています。紅白梅図屏風に描かれているのが有名です。流水文様の中でも、この図柄のように、より自然な水の流れを表しているものが多くみられます。
流水に紅葉
色づいた紅葉の落ち葉が渓流を流れていく様子を文様化したもので、紅葉の文様の中ではもっともポピュラーなもの。別名「竜田川」(たつたがわ)とも呼ばれます。流水は初夏の図柄ですが、紅葉を散らすことで秋を表しています。ここには竜田川だけでなく、雪輪と麻の葉が組み合わさっています。
流水と金魚
流水と金魚の組み合わせは昔から手ぬぐいや浴衣に使われる柄です。和風な感じがするのでのれんの柄にもぴったりです。涼しげな雰囲気を醸し出せます。
花筏(はないかだ)
着物の柄にもなる流水柄。このような花と筏と流水のものもありますし、流水に花が流される様を花筏と呼ぶこともあります。
水車と流水
川の流れを利用し田んぼに水をくみ上げる仕組みの水車は日本には鎌倉時代から有ったそうです。水をエネルギーに変える水車と流水は自然と着物の柄や手ぬぐいの柄となり、今の日本にも引き継がれています。
観世水と市松模様
子孫繁栄や事業拡大などの縁起のよい市松模様と厄除けの流水の組み合わせはオーソドックスながらも、より縁起の良い柄となります。
流水と青海波と菊
無限に広がる穏やかな波に、未来永劫と平和な暮らしへの願いが込められている青海波と厄除けの流水、そして長寿の象徴の菊の組み合わせは見た目の豪華さだけでなく、吉祥の意味が込められています。
光琳水と燕子花(かきつばた)
流水柄と燕子花(かきつばた)をなぜ組み合わせるのかは諸説あるかとは思いますが、尾形光琳の燕子花の屏風が有名なことから着物の柄に組み合わせて使われるようになったとも言われています。
毬と流水と霞紋と市松模様
長い糸を巻いて作る毬は、縁を結ぶ・縁をつなぐとして、縁起が良いとされます。そこに流水と霞文様と市松模様を組み合わせてあります。たくさんの要素を入れてありますが、流水が入っていることで柄と柄を結び付けてまとまりのある柄となります。
流水単体でも粋な柄ですが、他の吉祥文様や動植物と組み合わせても使える柄ですね。
ここでは一部しか載せていませんが、組み合わせは自由自在。流水を使ってオリジナルのおしゃれで縁起の良いのれんにしましょう。
流水をのれんに取り入れよう
「厄を流す=魔除け」「流れる水は腐らない=清らかさ」「火難除け」などの意味がある流水柄ですから、お店の入り口はもちろんご家庭でお使いののれんやお風呂屋さんののれんなど色んなところに合いそうです。
流水はどんな場所やシーンで使ってもOKですが、特にお勧めしたい場所は以下の通り。
流水を取り入れるのにお勧めの場所
・喜寿や米寿のお祝いに贈るお祝いのれん
・飲食店の入口に飾るのれん
・エステやマッサージなど癒しのサロンののれん
・お風呂屋さんに設置する湯のれん
・喜寿や米寿のお祝いに贈るお祝いのれん
・飲食店の入口に飾るのれん
・エステやマッサージなど癒しのサロンののれん
・お風呂屋さんに設置する湯のれん
「流水をのれんに取り入れたいけれど、どのようなデザインにすれば良いか分からない」という方も、ご安心ください!
オーダーのれんドットコムでは1,000種類以上のデザインサンプル(※)をご用意しています!
※デザインサンプルとは
当サイトが用意しているデザインのひな型。お好みのデザインサンプルを基に、文字や書体、配色、レイアウトまで自由に変更できます。
流水を使ったデザインサンプルもありますので、ご紹介します。
流水の入ったデザインサンプル
いかがですか?
一口に「流水柄」と言っても、色や形によって雰囲気は全然違いますね。
また他の吉祥文様とも相性抜群の流水柄ですから、自由な発想で組み合わせてみてください。
厄除けや火難除けの意味がある吉祥文様ですので、のれんの柄に適しています。
流水が入っていないサンプルに、足すこともできます。
デザインサンプルはこちらから
https://www.order-noren.com/sample/
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まとめ|流水の意味や歴史
本記事では、伝統的な和柄の一つである『流水』について、歴史やバリエーションを解説しました。
・親戚に厄除けになるのれんをプレゼントしたい
・友人のお店が末永く繁盛するようにのれんを贈りたい
・友人のお店が末永く繁盛するようにのれんを贈りたい
そんな願いと祈りを込めて、流水を取り入れたのれんを作りませんか?
オリジナルでのれんを作る時は、ぜひオーダーのれんドットコムにお任せくださいね。
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